村上隆夫 1992 清水書院
本書は1992年刊の新装版であり,2014年刊です。前半はメルロ=ポンティの生涯,後半はその研究について,丁寧に分かりやすく解説しています。ですので,メルロ=ポンティの入門書として良書なのではないかと思います。
というのも実は,メルロ=ポンティの思想は断片的には知っていましたが,原著はもちろん入門書もちゃんと読んだことはなく,まずはこの本が一番読みやすそうだったので手に取ったわけです。期待通りでした。
これを機に,もう少しハードなメルロ=ポンティの研究書だとか,さらには原著にもいずれ挑戦してみようと思いました。
2017年11月29日水曜日
2017年11月17日金曜日
禅・チベット・東洋医学
藤田一照・永沢哲 2017 サンガ
禅僧の藤田一照氏とチベット仏教研究者の永沢哲氏の対談本です。禅仏教とチベット仏教の邂逅。お二人の知識と造詣の深さに驚嘆します。重要なのは,二人とも実践者ということ。副題が「瞑想と身体技法の伝統を問い直す」となっている通り,身体的実践を伴わなければ意味がない,というところがポイントになっています。
ただ,タイトルに「東洋医学」とあるけれど,そこまで東洋医学のことはそんなに語っていません。むしろ,「禅とチベット」で良いような気がしました。
しかし,いずれにせよ,チベット仏教の様子が少し分かり,そこから禅を見ることで禅も少し分かり,ひいては,仏教という営みが見えてきます。対談なので読みやすいですし,二人の語りが的確なので,展開が明瞭でブレにくいのも,良いです。
禅僧の藤田一照氏とチベット仏教研究者の永沢哲氏の対談本です。禅仏教とチベット仏教の邂逅。お二人の知識と造詣の深さに驚嘆します。重要なのは,二人とも実践者ということ。副題が「瞑想と身体技法の伝統を問い直す」となっている通り,身体的実践を伴わなければ意味がない,というところがポイントになっています。
ただ,タイトルに「東洋医学」とあるけれど,そこまで東洋医学のことはそんなに語っていません。むしろ,「禅とチベット」で良いような気がしました。
しかし,いずれにせよ,チベット仏教の様子が少し分かり,そこから禅を見ることで禅も少し分かり,ひいては,仏教という営みが見えてきます。対談なので読みやすいですし,二人の語りが的確なので,展開が明瞭でブレにくいのも,良いです。
2017年11月3日金曜日
新世紀ゾンビ論
藤田直哉 2017 筑摩書房
ゾンビを視点にした社会批評・文化批評の本です。読みやすく,3日ほどで一気に読みました。「ゾンビ」という解釈の視座が,読みながら目まぐるしく変わるので,読んでいてジェットコースターみたいででしたが,その視座それぞれはそれなりに面白かったです。「ゾンビ」も,映画ばかりでなく,むしろゲームだとか最近のアニメだとかが中心で,後半は特にそっちに突入していく感じです。これほどまでにゾンビが増殖しているとは,よもや,知りませんでした。
ゾンビを視点にした社会批評・文化批評の本です。読みやすく,3日ほどで一気に読みました。「ゾンビ」という解釈の視座が,読みながら目まぐるしく変わるので,読んでいてジェットコースターみたいででしたが,その視座それぞれはそれなりに面白かったです。「ゾンビ」も,映画ばかりでなく,むしろゲームだとか最近のアニメだとかが中心で,後半は特にそっちに突入していく感じです。これほどまでにゾンビが増殖しているとは,よもや,知りませんでした。
2017年10月29日日曜日
このせちがらい世の中で誰よりも自由に生きる
湯浅邦弘 2015 宝島社
まず表紙が良い。とても良い。そして中身ともよくフィットしています。とある40歳過ぎのサラリーマン(「男」)と,奇妙な老人(「老人」)との対話形式なので,まずもって,読みやすい。
この「男」(サラリーマン)が,とてもリアリティのある悩みや問題を「老人」にぶつけ,「老人」が老子や荘子で答えるというパタンなのですが,良さのポイントは,「男」が反論するところです。現実的な制約やしがらみや状況を踏まえて,老子や荘子のようには行かないでしょう,そこは無理でしょう,と都度都度反論するところに,老荘思想をよりよく理解する工夫がなされています。
というのも,老荘思想は,それだけを単独で一方通行で読むと,理想論かあるいは説教集のようになってしまうからです。それでも良いと言えば良い。そういう理想論に自分をどう近づけていくかも,自己を考える上で必要だからです。本書はその点,この「男」にその役目を担わせています。だから,読みやすい。
老荘のニュアンスを掴みたければ,専門書に近いものよりも,こういう読み物の方が良い。我々のような専門家ではない素人にとっては最適です。でもこれ,かの有名な湯浅先生が書いているところもまた,ミソでしょう。おすすめです。
まず表紙が良い。とても良い。そして中身ともよくフィットしています。とある40歳過ぎのサラリーマン(「男」)と,奇妙な老人(「老人」)との対話形式なので,まずもって,読みやすい。
この「男」(サラリーマン)が,とてもリアリティのある悩みや問題を「老人」にぶつけ,「老人」が老子や荘子で答えるというパタンなのですが,良さのポイントは,「男」が反論するところです。現実的な制約やしがらみや状況を踏まえて,老子や荘子のようには行かないでしょう,そこは無理でしょう,と都度都度反論するところに,老荘思想をよりよく理解する工夫がなされています。
というのも,老荘思想は,それだけを単独で一方通行で読むと,理想論かあるいは説教集のようになってしまうからです。それでも良いと言えば良い。そういう理想論に自分をどう近づけていくかも,自己を考える上で必要だからです。本書はその点,この「男」にその役目を担わせています。だから,読みやすい。
老荘のニュアンスを掴みたければ,専門書に近いものよりも,こういう読み物の方が良い。我々のような専門家ではない素人にとっては最適です。でもこれ,かの有名な湯浅先生が書いているところもまた,ミソでしょう。おすすめです。
2017年10月22日日曜日
マインドフルな毎日へと導く108つの小話
アジャン・ブラム(著)浜村武(訳) 2017 北大路書房
これは面白い本です。短い108つの話が収められていますが,これは,タイの高僧アジャン・チャーの元で修行したオーストラリア在住のイギリス人仏僧である,アジャン・ブラムの講話集です。
ユーモアと含蓄のある話は,読んでいて飽きません。翻訳も滑らかで読みやすい。話の一つ一つに,「はっ」とさせられます。読みながら,「そうなんだよな~」「うんうん,たしかにね~」「これだよ,これ,こういうことだよ」と思わずうなりながら読んでしまう本です。
原題は,”Opening the door of your heart"なので,そのまま訳せば『心の扉を開く』です。なので,決して昨今流行の「マインドフルネス」を身に付けようとすることに主眼を置いて書かれた本というわけではありません。内容は,もっと広い意味で,仏教的な考え方,在り方,ライフスタイルを伝えようとするものです。だからとても良い本です。
これは面白い本です。短い108つの話が収められていますが,これは,タイの高僧アジャン・チャーの元で修行したオーストラリア在住のイギリス人仏僧である,アジャン・ブラムの講話集です。
ユーモアと含蓄のある話は,読んでいて飽きません。翻訳も滑らかで読みやすい。話の一つ一つに,「はっ」とさせられます。読みながら,「そうなんだよな~」「うんうん,たしかにね~」「これだよ,これ,こういうことだよ」と思わずうなりながら読んでしまう本です。
原題は,”Opening the door of your heart"なので,そのまま訳せば『心の扉を開く』です。なので,決して昨今流行の「マインドフルネス」を身に付けようとすることに主眼を置いて書かれた本というわけではありません。内容は,もっと広い意味で,仏教的な考え方,在り方,ライフスタイルを伝えようとするものです。だからとても良い本です。
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