2019年8月21日水曜日

心身問題物語:デカルトから認知科学まで

岡田岳人 2012 北大路書房

これは面白い。心身問題について,デカルトから現代(の認知科学)まで,読み物として非常に楽しく読めました。登場する人物の伝記を交えての展開が読みやすさ(面白さ)の重要なポイントです。難解な哲学書とは違って,17~20世紀の西洋哲学史が舞台の小説としても読める。文章が読みやすい。リズムが良い。哲学的説明と伝記的物語が上手に継ぎ目なく絡んでいる。説明のための例も分かりやすい。この手の話が好きな人は,絶対にオススメ。

2019年8月7日水曜日

認知言語学入門

籾山洋介 2010 研究社

「認知言語学」とはどういう学問なのか,ものすごく分かりやすく書かれています。特に,説明するための例文が「日本語」というところが非常に良い。

そして、認知言語学は非常に面白い。言語学の一つだけど,認知科学の一つだとも言える。心理学(認知心理学)的な発想や視点も多いので,心理屋には親和性が高い。

これを機会に,「認知言語学」をいろいろ勉強してみましょう。と思いました。

2019年7月28日日曜日

「身軽」の哲学

山折哲雄 2019 新潮選書

山折氏,八十八歳。ご自身の人生を振り返り,今の心境を,西行・親鸞・芭蕉・良寛から見る。その「かろみ」に憧れ,自身もまたそこに至ることを望む。

西行・親鸞・芭蕉・良寛の,活き活きとした(生々しい)姿を,半分小説半分評論のような文章で綴っています。この本のテーマが「半僧半俗」「非僧非俗」「脱僧脱俗」であり,それが身軽さの所以なら,この本そのものからも身軽になった山折氏を感じます。

2019年7月22日月曜日

うつくしい博物画の記録

ウェルカム・コレクション(編)堀口容子(訳) 2019 グラフィック社

綺麗な装丁の本。図版は少ない。色見本など,博物学の初期?の資料がいくつか丁寧に載せてある。

2019年7月19日金曜日

身体感覚を取り戻すハンナ・ソマティクス

平澤昌子 2013 BABジャパン

フェルデンクライス・メソッドをベースに,トーマス・ハンナが創始した,ハンナ・ソマティックスの入門書。アプローチの背景的な理論は,センサリーモーターアムネジア(感覚運動健忘症)。無意識のうちに筋肉が収縮し,身体各部の嫌みや不調をもたらしている(ひいては心理的にも不調をきたす)という考えです。これに基づき,その,無意識的に(不随意に)収縮している筋肉を,意識的に(随意に)収縮させ,意識的に緩めることで,本当のリラックスを得よう,というエクササイズです。

普通のリラクセーションやマッサージやストレッチングの考え方だと,違和感や痛みのある部分を伸ばしたり,揉んだり,緩めたりとするわけですが,このハンナ・ソマティックスのやり方は,「パンディキュレーション」というものです。これがなかなか発想として逆転している感じがオリジナルです。具体的には,無意識に収縮して硬くなっている部分(筋肉)を,まずは意識的に一度収縮させて,その後,意識的にゆっくりじわじわと戻していく,というやり方。ただ緩めるのではなくて,ゆっくりじわじわ戻すところが特徴的(このためには筋肉のコントロールが必要)。つまり,無意識から意識に,筋肉を取り戻す,ということ。

私は左肩の凝りが慢性的に続いているので,早速,試してみました。すると,「おお!」という具合に,今まで揉んでほぐしてだと効かなかったのが,このパンディキュレーションでやると,スッと凝りが解消しました。うん,効くね,これ。個人的には,今後も使っていきたいと思います。

ただ,こういう身体的なアプローチは,いろいろあるのですが,いろいろあるのはなぜかというと,効く人と効かない人がいるからです。人の身体は千差万別ですから,あるメソッドは効くけどあるメソッドは効かない,というのはよくあります。万人に効くメソッドはない,ということです。だから胡散臭いと思われる節もありますが(笑),まぁ,そういうものです。

広い意味では,西洋医学的な薬なんかも同じで,効果のある人とない人といるわけですが,こうした身体的なメソッドやセラピーや東洋的な身体技法などは,さらに幅が広いと思います。ですから,やってみて効けば儲けもの,というぐらいが適当かと思います。誰にでも効く,というわけではありません。その人に合えば,合う方法が見つかればラッキー,ということです。