2019年9月17日火曜日

すごい博物画

デイビッド・アッテンボロー,スーザン・オーウェンズ,マーティン・クレイトン,レア・アレクサンドラトス(著) 笹山裕子(訳) 2017 グラフィック社

15~17世紀ごろのヨーロッパ人によって描かれた博物画。レオナルド・ダ・ヴィンチ,カッシアーノ・ダル・ポッツォ,アレクサンダー・マーシャル,マリア・シビラ・メーリアン,マーク・ケイツビーの画。いずれも,基本的に植物学や昆虫学といった自然科学的な視線で描かれているわけですが,その微に入り細に入った画筆がすでに芸術となっています。

面白いのは,静物画のように,何かをただ書き記したというのではなくて,その人の好みで植物と動物が,寸法を無視して,描き込まれているところ。何かと何かを勝手に闘わせたり,何かを何かに勝手に這わせたりしてます。

今では,写真技術や撮影技術が高度になっているので,こういう,手書きの資料は不要なのかもしれないですが,かつてはこれが学術研究資料だっただと思うと,動植物を捉えたこうした絵は,とても貴重だったのでしょう。目の保養になりました。

2019年9月13日金曜日

フィルム・スタディーズ入門

ウォーレン・バックランド(著)前田茂・要真理子(訳) 2007 晃洋書房

2007年に発行で,2019年で第6刷まであるので,非常に売れている本なんだと思います。というのも,映画批評をする上での視点と作法が,分かりやすく書かれているからです。本書にもあるとおり,これは,高校生か大学1年生が「映画学」「映画研究」を専攻するにあたって最初に読んでおくと良い本です。教科書としても良いですし,教養書としても良いぐらい,門外漢の私でも読めます。

最近,映画関係の本を何冊か読んでいますが,この本は,読みやすいのでオススメです。

2019年9月5日木曜日

教養としての認知科学

鈴木宏昭 2016 東京大学出版会

良書。とても分かりやすい。そしてときどき緩いコメントやボケが入っていて,本当に鈴木先生の講義を聴いているかのようです。認知科学という学問が何をどう扱う学問なのか,今までどのように扱われてきたか,今はどうか,これからはどうなっていくべきかも語られています(もちろん,「今」はどうかが,本書のメインです)。

その上で,その知識でもって広く人間を知り,広く生活に応用する,まさに「教養」としての認知科学を提供しています。こういう本を書きたいと思うけど,それはまたいつか。


2019年8月21日水曜日

心身問題物語:デカルトから認知科学まで

岡田岳人 2012 北大路書房

これは面白い。心身問題について,デカルトから現代(の認知科学)まで,読み物として非常に楽しく読めました。登場する人物の伝記を交えての展開が読みやすさ(面白さ)の重要なポイントです。難解な哲学書とは違って,17~20世紀の西洋哲学史が舞台の小説としても読める。文章が読みやすい。リズムが良い。哲学的説明と伝記的物語が上手に継ぎ目なく絡んでいる。説明のための例も分かりやすい。この手の話が好きな人は,絶対にオススメ。

2019年8月7日水曜日

認知言語学入門

籾山洋介 2010 研究社

「認知言語学」とはどういう学問なのか,ものすごく分かりやすく書かれています。特に,説明するための例文が「日本語」というところが非常に良い。

そして、認知言語学は非常に面白い。言語学の一つだけど,認知科学の一つだとも言える。心理学(認知心理学)的な発想や視点も多いので,心理屋には親和性が高い。

これを機会に,「認知言語学」をいろいろ勉強してみましょう。と思いました。