2014年8月14日木曜日

On Tai Chi Chuan

T. Y. Pang (1987) Azalea Press

ホノルルでのタイチーの師であるSteven Youngの師の著書。つまり,僕の先生の先生がかつて書いた本,ということだ。

太極拳とは単なる護身術や健康体操以上のものである。太極拳とは哲学である。哲学的知である。そういうことが書いてある。ただ,全編そういう話ばかりでなく,そのことを踏まえた上で,さて,太極拳をどう練るか,ということで,実践する際の数々のコツや示唆も数多く示されている。太極拳に関する歴史や古典や重要人物の紹介も満載である。

さて本書は1987年の著であるが,これ以降,こういう哲学的な議論というか,太極拳の本質に関する議論というのは,なさているのだろうか。本書でも書いてる通り,世の太極拳に関する本は,技術書ばかりで,理論書も伝説のようなものを史実のように説明しているものだったりして,ちゃんとした太極拳に関する本がない,とPang先生はおっしゃる。

この本は約30年前の本なのだから,その後,太極拳の本質に関する議論というのは,きっとなされているはずだと期待する。ただ,我が国に関して言えば,ざっと検索するに,太極拳の理論的な本というのは,それほど多くなさそうな気がする。まずはその辺りを読んでいってみることにしよう。

いずれにせよ,太極拳とは何か,本書はその本質を理解する上で必読の一冊だろう。名著である。

0 件のコメント:

コメントを投稿