2012年6月25日月曜日

精神としての身体

市川浩 1992 講談社学術文庫

1975年出版の文庫版。身体論の名著,ということで読んでみましたが,3分の1ぐらいで断念。ときどき興味深いことが書かれているのですが,自分が知りたいこととはちょっと違いました。

2012年6月19日火曜日

痕跡本のすすめ

古沢和宏 2012 太田出版

痕跡本=書き込みや傷などが残ってる古本。著者の広げる想像は,そこそこ面白い。けど,そうかなぁ,そりゃ考えすぎだろ,と思うときも。でもまぁ,それも痕跡本の楽しみ方の一つで,想像(妄想)するのは自由だと,著者も言っている通り。次回作も買おうと思うほど快作ではないけれど,古本(痕跡本)探しってのも面白いかもと思いつつ,いやしかし,そのためだけにわざわざ古本を買うほど金に余裕はないとも思っています。たまたま買った古本に痕跡があったら,妄想を膨らましてみよう。

2012年6月13日水曜日

おじさん図鑑

なかむらるみ 2011 小学館

壮年期の男性を(女性の目から)観察するとこうなるのか,ということが少し分かりました。勉強になります。

2012年6月8日金曜日

じみへん倫理教室

南部ヤスヒロ 2009 小学館

倫理学で議論されている問題を,中崎タツヤ氏の『じみへん』を題材にして議論するのかと思いきや!実際に書いてある内容は,著者が『じみへん』を使ったりして進めている自分の『倫理』の<授業>に関するエッセイ,でした。つまり,倫理学(の中身)についてはほとんど全く書いていない。高校での倫理の授業の進め方(や高校での生徒との交流)に関するエッセイ(というか個人的な思い)です。帯には「哲学エッセイ」とあるけど,正確には「哲学授業エッセイ」でしょう。文章も,特徴のある口語調で,読みにくい。関連する『じみへん』の先にそのエッセイがあるので,何について書いているのか分からず,これも読みにくい原因の1つ。言っちゃ悪いが,自己陶酔してる高校の先生の個人的なブログを読んでいるようでした。悪書とまでは言わないけれど,この人の本はもう買わないと思います。

2012年6月5日火曜日

羽生善治の将棋を始めたい人のために

羽生善治 2012 成美堂出版

さて早速,将棋をまたやってみようと思って買った一冊。紀伊國屋に並んでいる入門書の中で,一番新しくて,一番分かりやすそうで,初歩の初歩から書いてある本を選びました。見やすくて分かりやすいので良書。でもやっぱり結局,実戦しないと読んでるだけじゃ何も面白くないので,後半は飛ばしました。携帯アプリで将棋を購入したので,隙間の時間にやってみよう。

2012年6月1日金曜日

PK

井坂幸太郎 2012 講談社

井坂幸太郎の本は,けっこうどれも面白い。『死神の制度』『魔王』『砂漠』『モダンタイムス』『終末のフール』『SOSの猿』を今までに読みました。どれも面白かった。しかし,今回の『PK』,面白いと言えば面白い。けど,以前どこかで本人(か,あるいは他の評論家?書評?読者評?)が言っていたんだけど,「オチのない終わり方」が好きらしい,井坂氏。うん確かに今回の『PK』は,投げっぱなし(笑)。この不全感・未完結感が良い,ということなんだろうけど,しかし,今回の『PK』は,どうなんだろう。投げすぎじゃないか。面白いけど。この,投げっぱなしによって読後に余韻が残るのは,多分にツァイガルニク効果によるところが大きい気がする。