2012年4月22日日曜日

トンデモ本の大世界

と学会 2011 アスペクト

と学会結成20周年記念本。と学会も20年ですか。院生の頃,友人から「とにかく面白いから」と勧められて,腹を抱えて読んだ『トンデモ本の世界』(1995年)から,その後ずっとと学会関連の本は出るたびに(たぶん)全部読んでますが,本書はそのおさらいとして,これまた存分に楽しめました。

2012年4月14日土曜日

原っぱで夕焼けを見ていた頃:サザエさんをさがして5

朝日新聞be編集グループ・編 2010 朝日新聞出版

これまでシリーズの1~4巻も買って読みました。読むときの気分によって違うのかもしれないけれど,5巻はあまり面白いと感じなかったなぁ。同じパタンに飽きたかな。今回は特に,新聞屋の語り口調(いや,書きっぷり,か)が鼻につきました。

「ほう,○○とはなつかしいですね」
掲載作を見ながらこう語るのは,○○県で○○業を営む○○さん(○○歳)。

こればっか。次はもう買わないかも。

2012年4月12日木曜日

辛酸なめ子の現代社会学

辛酸なめ子 2011 幻冬舎

読後感は普通。可でもなく不可でもなく。辛酸氏の真意がどこにあるのか,あいかわらず煙に巻かれたような内容(それが味なんだけど)。中身は大半が漫画なので,30分で読めます。ネタが2004年~2009年のものなので,リアルタイム感は薄い。ああそういうこともあったね,という気分です。

2012年4月11日水曜日

MM9

山本弘 2007 東京創元社

面白い。と学会の山本弘氏の本業(SF作家)。と学会やその関係者の著書は愛読してますが,そこで出てくるようなマニアックな知識(用語や解説)が随所に登場して,SFとして面白さを増している。SFはやっぱり,設定やディテールをいかに理屈づけるか(架空の理論や物質や存在によって,小説の中の非現実的な世界や現象を”矛盾なく”説明する),に醍醐味があると思います。ディテールがない,設定も破綻している,矛盾している,説明されていない,というSFは,面白くない。というか,ついていけない。仮面ライダーで言えば,オーズは面白いけどフォーゼは面白くない。なお,本書は話の構成も面白い。一気に楽しく読めました。たしか続編があったような気がするので,さっそく買おう。

2012年4月6日金曜日

クリックしたら,こうなった

多田文明 2009 メディアファクトリー

『ついていったら,こうなった』も面白かったが,この本もなかなか面白い。1時間ぐらいで気楽に読めるし,なるほど,こういう仕組みになっているのかと勉強にもなる。潜入ルポなので,言葉巧みに取り込まれていく様子に臨場感がある。身を挺してのルポに,読む方もちょっとどきどきする。しかし,こうしてだまされて(だまされた振りをして)払ったお金は,経費(取材費)で落ちるのかね。落ちるだろうね,当然。日テレの『イマイ』シリーズも面白いが,イマイ氏が冷めた口調でとことんまで問い詰めていくスタンス(性悪説)であるのに対し,多田氏は素朴に信じてあれよあれよという間に騙されていくスタンス(性善説)なので,これもまたオリジナリティがあって面白い。

2012年4月4日水曜日

身体教育の思想

樋口聡 2005 勁草書房

文章がわかりにくい。日本語が読みにくい。難しく書くことと中身の質は,決して相関しない。優れた文章家は,内容の難易に関係なく,分かりやすい日本語を使う。本書のテーマはいずれも興味深いが,読むのに疲れるので,残念だ。

2012年4月3日火曜日

絶望名人カフカの人生論

フランツ・カフカ 頭木弘樹 編訳 2011 飛鳥新社

ネガティブ!ことごとくネガティブ。逆に,自分を含む多くの人がいかに自分をだましながら,なだめすかしながら,ごまかしながら生きているかがわかる。真実を知る人は,この世の中は生きにくい。