2012年7月24日火曜日

下り坂では後ろ向きに:静かなスポーツのすすめ

丘沢静也 2012 岩波書店

「静かなスポーツ」。勝敗や結果とは無関係の運動習慣のすすめ。人生を競技的に生きないことのすすめ。プロセスを楽しむことのすすめ。禅です。武道,特に少なくとも空手は本来,こうあるべきなので,スポーツ空手にどっぷり浸かっている人に,この辺りの本質を分かってもらえるとうれしいなと思いつつ,どっぷりな人はここに書いてある本質が,まったく分からないかもしれない。とにかく,非常に良い本です。丘沢先生の他の本も,読んでみよう。

2012年7月19日木曜日

トンデモマンガの世界2

と学会 2010 楽工社

はずれがない「と学会」本。これもひたすらに,面白い。「著者の意図とは異なる楽しみ方ができる」マンガの紹介。1ももちろん,面白い。気楽に読めます。

2012年7月12日木曜日

現象学的な心

ショーン・ギャラガー ダン・ザハヴィ 石原孝二・宮原克典・池田喬・朴崇哲(訳) 2011 勁草書房

半分ぐらい読んで断念。議論していることは(理解している範囲で)面白いしエキサイティングなんだけど,なんせ,難解です。翻訳だからか,あるいは,現象学の議論の仕方がこういう風なのか,よく分からないけれど,僕にとっては少なくとも,難解です。ただ,理解した範囲では,なるほどと思えるところは多々あります。なんていうか,論理展開が複雑でトリッキーなので,もう少しシンプルに,語れないのかな。例えば,文章一つ一つについて,否定形が多用されるのは,この著者の癖なんだろうか。「・・・・ではない」「・・・ということはありえない」「・・・とは考えられない」と来ると,「・・・」の部分の理解をひっくり返されるので,その度に,頭の中で整理し直さなければならず,認知的に負荷が高い。

2012年7月4日水曜日

日本語を使う日々

吉田戦車 2012 小学館

吉田戦車と言えば「伝染るんです。」。このために,さぞエキセントリックな人なのではないかという期待のもと,本書を購入。しかし,意外にも,(本書を読む限り)吉田氏は普通の,まともな人でした。妙な期待が大きかった故に,本書の印象は,なんとなく軽く,薄い感じがします。本書は,言葉に絡めた吉田氏のエッセイです。エッセイごとに漫画(1コマ)が掲載されているんですが,やっぱり,その漫画は,エキセントリックで面白い。この,漫画の濃さとエッセイの薄さに,けっこう,ギャップがあります。吉田氏,ごく普通の一般的な常識人でした。もう50歳近いんですね。衝撃的であった「伝染るんです。」って,僕が大学生の頃だもんなぁ。