2018年4月17日火曜日

秘伝マルマ ツボ刺激ヨーガ

伊藤武 2004 講談社α文庫

ヨガをやる上で,知っていると良い,ツボや経絡と関係する話です。ヨガの基本的なアーサナについて丁寧に説明されています。アーユルヴェーダと中医学は,全く同じではないですが,本質的には同じようなことを伝えていることが,よく分かります。陰ヨガ,経絡ヨガをやる人には,非常に有益な本です。一読をお勧めします。

2018年4月10日火曜日

欝な映画

山崎圭司・岡本敦史・別冊映画秘宝編集部(編) 2018 洋泉社

「欝」と言っても,ここで扱っている「欝」はかなり幅広い。だから,いろんな映画がここに含まれる。主人公が欝っぽい,監督が欝っぽい,ストーリーが鬱々としている,雰囲気が鬱屈している,などなど。紹介されている映画によっては,そりゃ欝じゃなくて統合失調じゃないかとか,心気症じゃないかとか,強迫性障害じゃないかとか,いろいろありますが,副題にもあるように「憂鬱,鬱積,鬱屈,救われない映画」を古今東西集めて紹介・解説・評論しました,という本です。

僕は,映画を大量に観ている映画マニア・映画オタクというわけではないですが,映画という映像と台詞と音の枠の中で何かしらが訴えられる(訴えるものがゼロというのもあろうけれど)という,この約2時間の表現形態が好きです。『映画秘宝』定期購読してます。

2018年4月5日木曜日

こころの病に挑んだ知の巨人:森田正馬・土居健郎・河合隼雄・木村敏・中井久夫

山竹伸二 2017 ちくま新書

精神医学・臨床心理学で著名な5人の病理論と治療論と人間論について解説した本です。著者は医学や心理学の専門家ではないので,本書は一種の科学読み物・科学解説本でしょうか。各人の主要な著作を読み解き,解説するというスタイルですが,著者自身が専門家ではない分,なんとなく概念や言葉だけを追っているような気が拭えず,途中まで読みましたが,読むのを止めました。手っ取り早く各人の理論を知るには良いと思います。

2018年4月1日日曜日

原初生命体としての人間:野口体操の理論

野口三千三 2003 岩波現代文庫

今更ながら,かの有名な野口体操の野口三千三先生の名著を読んだ。「今更」というところがミソで,今の自分が今読んだからこそ,ここまでこうして身に沁みるのだと思う。この本を多分,10年前20年前に読んでいても,ピンと来ないどころから,まったく何を言っているのかさっぱり分からなかっただろう。でも,今はものすごくよく分かる。

ここ最近何年も考えていたことは,この本にだいたい書いてあった。というか,野口先生が,自分の生まれた頃に,もうすでに今自分が考えていたり感じていたりすることをすでに考えていたり感じたりしていた,ということ。

もう少し厳密に言うと,こうなんじゃないかとなんとなく感じていたことを,この本の中ですでに言葉にして語られているものだから,「そうそう,そういう感じのことです,野口先生,私もそう思います」という感動。だいたい自分が考えていることは,方向的に間違ってなかったようだ,という安心。

無論,このレベルまで運動を微細に追求しているとはとても恐れ多くて言えません。ただ,自分が進んでいる方向に確信が持てる書でした。身体をやっている人は当然すでに読んでいるだろう書を,自分もようやく読みました。初版は1972年。私が生まれたのが1971年。生まれて10ヶ月ぐらい。

こんなに赤線引っ張った本は,ホント,久し振りです。