野口三千三 2003 岩波現代文庫
今更ながら,かの有名な野口体操の野口三千三先生の名著を読んだ。「今更」というところがミソで,今の自分が今読んだからこそ,ここまでこうして身に沁みるのだと思う。この本を多分,10年前20年前に読んでいても,ピンと来ないどころから,まったく何を言っているのかさっぱり分からなかっただろう。でも,今はものすごくよく分かる。
ここ最近何年も考えていたことは,この本にだいたい書いてあった。というか,野口先生が,自分の生まれた頃に,もうすでに今自分が考えていたり感じていたりすることをすでに考えていたり感じたりしていた,ということ。
もう少し厳密に言うと,こうなんじゃないかとなんとなく感じていたことを,この本の中ですでに言葉にして語られているものだから,「そうそう,そういう感じのことです,野口先生,私もそう思います」という感動。だいたい自分が考えていることは,方向的に間違ってなかったようだ,という安心。
無論,このレベルまで運動を微細に追求しているとはとても恐れ多くて言えません。ただ,自分が進んでいる方向に確信が持てる書でした。身体をやっている人は当然すでに読んでいるだろう書を,自分もようやく読みました。初版は1972年。私が生まれたのが1971年。生まれて10ヶ月ぐらい。
こんなに赤線引っ張った本は,ホント,久し振りです。
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