2017年9月21日木曜日

哲学しててもいいですか?文系学部不要論へのささやかな反論

三谷尚澄 2017 ナカニシヤ出版

絶対に読んだ方が良い。そして、今すぐにでも読んでおいた方が良い。本というのは、内容にもよるけれど、時代や状況によって、読むべきタイミングというのがあると思いますが、この本は、教養(教育)ということを考える人にとっては、今すぐにでも読んだ方が良い、そういう本です。

一方で、この本は、30年後、50年後などにも取り上げられることを期待するし、その時どう読まれるかも、想像すると楽しみです。ああ、30年前はこんな状況だったのね、とほのぼのと読めるのか、あるいは、危惧していた最悪の状況になってしまっているか。日本という国が、知を、教養を、どこまで真剣に深く考えたかが、それを左右します。

願わくば、その道を間違えないように、大学教育に関わる人は、この本を絶対に読むべきです。読んで欲しい。読んで下さい。お願いします。

2017年9月9日土曜日

タオは笑っている

R.M.スマリヤン(著)桜内篤子(訳)1981 工作舎

読んで面白い本というのに巡り会うと,わくわくして人に言いたくなります。そういう本です。タオが好きな人は,読んで損はない本です。タイトルは,『タオは笑っている』ですが,原題は"The Tao is silent"です。どちらも良いタイトルです。

タオは言葉にしづらい(できない)けれど,タオってこんな感じ,というのがフワッと感じられる,そういう本です。1981年出版の本ですが,中身はまったく色褪せていません。なにせタオについての本ですから,当然,色褪せることはありません。

著者のスマリヤンは,今年の2月,つまり半年くらい前に亡くなりました。97歳。著名な論理数学者であり,哲学者であり,プロ級の手品師であり,そしてこの本の著者です。なんて素敵なんでしょうか。是非一読をオススメします。