2017年2月28日火曜日

心とはなにか:仏教の探求に学ぶ

竹村牧男 2016 春秋社

竹村先生は現在,東洋大学の学長です。筑波の先生を経て,東洋の先生になり,今,学長です。魅力的なタイトルなので購入し,文字も大きく,語りかけるような文章で読みやすいなぁと最初は思っていたら,だんだんと仏教用語が増え,次第に手強くなり,面倒くさくなり,途中で断念しました。

一般書なのでしょうけれど,専門家による本なので,やはりそれなりに難しい。というか,仏教用語が並び始めるときつい。初歩的でざっくりした話ならついて行けるけれど,専門的になってくると,素人にはきつい。仏教研究するならこのくらいはすらすら読めるんでしょうね,きっと。

でも,文章は柔らかいです。お人柄が見て取れます。

2017年2月26日日曜日

自分でできるマインドフルネス:安らぎへと導かれる8週間のプログラム

マーク・ウィリアムズ ダニー・ペンマン(著)佐渡充洋・大野裕(監訳) 2016 創元社

マインドフルネスとは何か,どういう瞑想をどうやってやっていけばよいかを,丁寧に説明している,けっこう大著です。8週間分の瞑想を,章ごとに丁寧に説明し,実践中につまづきそうなことにも触れながら,また,実際にこの瞑想プログラムに参加した具体的なケース(事例)にもときどき触れながら,分かりやすく解説しています。

特には,最近,マインドフルネス関連の本や雑誌記事が大量に出回っている中で,マインドフルネスを十分に理解していない(ように思える)人が書いたり翻訳したりしていたり,あるいはきっとマインドフルネスを知らない雑誌編集者の方が社会的ニーズに応えるために(雑誌の売り上げを上げるために)取材ベースで流行のマインドフルネスを特集したり編集したりして(そのためにありがちな先入観や誤解が散見されていて),内容的にちょっとそれどうなんだろうなぁ,と思うことがあります。しかし,流行するってのは,こういうことですね。いろんな人がいろんなことを言います。俯瞰的に見れば,まぁ,僕も単なるその一人です。

その意味では,本書は,著者の一人がマーク・ウィリアムズですから,内容に関しては信頼できますし,確かに通読してみて,変だ妙だと思う箇所はありませんでした。日本語の訳も全体的に読みやすかったです。

というわけで,マインドフルネスをする上で,読んでおいて損はない本の一つだと思いました。

2017年2月4日土曜日

始めよう。瞑想:15分でできるココロとアタマのストレッチ

宝彩有菜 2007 光文社知恵の森文庫

「瞑想」のススメです。坐ってマントラを唱える集中瞑想です。瞑想とは何かと考えたときに,いろいろなものを含むんだということに,改めて気づきました。

何を良しとするのかは,難しいところだと思います。あれを良しとするとこれは悪し,となります。瞑想も,何を持って良しとするかが違えば,具体的な方法も違うし,心身の状態を表現する仕方も違ってきます。また,瞑想は微妙なものですから,言葉一つでずいぶん違ってきます。だから表現する言葉を選ぶ必要があります。選んだ言葉で,ずいぶん違ってきてしまいます。良し悪しとは別な意味で,違ってきてしまいます。

坐り方や身体の動かし方などは,とても参考になりました。

2017年2月2日木曜日

実践!マインドフルネス:今この瞬間に気づき青空を感じるレッスン

熊野宏昭 2016 サンガ

熊野先生による,東京マインドフルネスセンターでのワークショップを再構成したものです。なので,参加者がいる場で語っている内容になっています。分量としては半日で読めます。

内容的には,HayesのACTとWellsの注意訓練を絡ませながらマインドフルネスの実践をレクチャーするものです。手動瞑想も出てきます。マインドフルネスの実践の感覚を言葉で確認したい場合,熊野先生の生に近い言葉で説明されていますので,分かりやすいと思います。

いくつか,授業や研究会でも使えるワークが入っていたので,個人的にはとてもお得でした。