2013年8月21日水曜日

談志が死んだ

立川談四楼 2012 新潮社

落語家・立川談志が死んだのは,2011年11月21日。古参の弟子である著者がその前後のことの顛末を書いた小説。小説って言っても,落語家や場所や建物や団体は,ほぼ実名です。もちろん,立川談志は知ってるけれど,談志の若い頃は知りません。『笑点』の司会はちょうど私が生まれる直前のことでした。そのころからドタバタとあれこれあって,立川流を創設。しかし,実に多くの人がこの立川談志に惚れてるなぁ,ということがしみじみ伝わります。傍若無人,唯我独尊,厚顔無恥,色んな修飾が浮かぶけど,それでも愛されるわけだから,ホント,凄い人だったんだろうなぁ,きっと。さて,この人の落語をちゃんと聞いたことがないので,改めて,今度聞いてみよう。

2013年8月13日火曜日

荒木飛呂彦の超偏愛!映画の掟

荒木飛呂彦 (2013) 集英社新書

前著『荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論』を読んで,そこそこに面白かったので第二弾の映画論である本書も買って読みました。ぼちぼち面白い。この,荒木という人のごく個人的な趣味・趣向で観てきた映画について語る本です。今回のテーマは「サスペンス」。まぁしかし,この「サスペンス」という言葉をかなり広く使っているので,論理的な厳密性は目をつむりましょう。とにかく,この,荒木氏が,自身の創作にあたり,おそらく(本書に出てくる映画以外にも)ものすごい数の映画を観ているということと,映画を非常に緻密に分析的に鑑賞しているということは,よく伝わりました。荒木ファンの方は必読ですね(私は特に荒木ファンというわけではないけれど,楽しく読めました)。

2013年8月8日木曜日

ワセダ三畳青春記

高野秀行 (2003) 集英社文庫

ちょうど私も同じ頃ワセダにいました。もちろん,高野氏のような三畳一間じゃなくて,普通のワンルームのアパートです。早大生は,彼のようにコアにワセダ界隈に住む人もいれば,西武新宿線沿いなどちょっと離れたところに居を構える人もいていろいろ。私は後者。いやしかし,当時,たしかに構内にはホント,7年生8年生なんて人(たいがいそういう人は見た目も行動も怪しげな人たちですが)がうろうろしてましたから,その中にこの高野氏もいたわけです。私も,高野氏ほどではないですが,早稲田祭でゲリラパフォーマンスとかやって,ワセダを楽しんでました。懐かしい。読み物としても,面白い。一気に読んでしまいました。この,高野氏は他にも興味をそそるタイトルの本を出してますので,是非読んでみたいと思います。