2019年10月17日木曜日

稽古の思想

西平直 2019 春秋社

「稽古」は単なる練習とは違う,その稽古の特殊性を語る本なのだけれど,身体論でよく出てくる話を引用しつつ,自身の考えを述べるときはその根拠がよく分からない。言いたいことはなんとなく分かるけれども,例えばそこに自身が行ってきた稽古の感覚というのが根拠にあるのならば,ある意味で論理はぶっ飛んでいても説得力はあるのだが,この著者が一体どのような稽古を積んできたのか皆目分からないので,考えや主張にまるで説得力が無い。ページ数を稼ぐために文字もやたらと大きく,行間もやたらと広い。老眼にはやさしいけど,中身は残念。なぜこれが商業ベースの書籍(しかもハードカバー)となり得るのか,理解できない。かくいう私は思わず買ってしまっているわけだけど(笑)。春秋社は懐が深い。批判的ですみません。

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