2012年12月29日土曜日

木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか

増田俊也 2011 新潮社

大著。二段組みで700頁。大宅壮一ノンフィクション賞を獲っている。それくらい,綿密な調査と取材で成り立っている本書は,木村政彦への著者の熱い心が伝わってくる。木村政彦の評伝だが,同時に柔道史あるいは総合格闘技史でもあり,さらに第二次世界大戦をまたいだ昭和史でもあり,かなり読み応えがある。柔道や総合の技はマニアックすぎて専門家じゃないとよく分からないところもあるけれども,柔道や柔術や総合をやっている人が読んだら,たまらない描写なんだろうなと思う。木村政彦の人生を一緒に追いかけて,最後の方は少し泣けてきました。著者は現在,『月刊秘伝』で「七帝柔道記」を書いている人です・・・と,ここまで書いて,今,ネットで調べてみたら,なんと,私と同じ高校出身,5つ上の先輩でした。いやはや,奇遇です。

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