2013年1月10日木曜日

ただ座る:生きる自信が湧く一日15分座禅

ネルケ無方 2012 光文社新書

安泰寺住職のドイツ人禅僧,ネルケ無方氏の,分かりやすい坐禅指南書。副題には「一日15分坐禅」とあるけれども,中身はそれを強く推しているわけではなく,一般的な坐禅を勧めています(一日15分でも,やるといいよ,という意味ぐらい)。また,「生きる自信が湧く」という副題も,本来の坐禅から考えればこれもまたナンセンスで,「坐禅をしても何にもならない」のが坐禅なので(と,ネルケ無方氏も本書の中で繰り返しそう書いているので),こういう副題は,本屋が付けるんだろうなと改めて思います。曹洞禅(道元禅)の指南書であり,公案をやる臨済禅ではありません。只管打坐。澤木興道禅師や内山興正禅師の流れです。途中,マインドフルネスとの違い,瞑想との違い,みたいなところが出てきますが,個人的には,マインドフルネス瞑想と根本的原理的にはそんなに違わないと思っています。坐禅入門の本はいくつもありますが,これはその中でも良書の一つです。

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