2013年11月28日木曜日

サイコパス:秘められた能力

ケヴィン・ダットン(著) 小林由香利(訳) (2013) NHK出版

The wisdom of Psychopaths (2012) の邦訳。サイコパスの機能性について最新の議論をふまえた良書。大平さんと大隅くんの,最後通牒ゲームの研究も引用されていました。数々の実験が出てきて,面白そうなものがいろいろと紹介されています。決して系統的な議論展開ではないですが,とにかく,ひたすらに,サイコパシー特性を裏返して見ればいかに人間社会で有利な機能性を帯びてくるかを,いろいろな証拠を並べて述べている本です。マインドフルネスとの共通性は,なんとなく気づいていましたが,後半にその議論が出てきて,やっぱりそうだったんだなぁと納得。なお,本邦訳の難点は,もしかしたら原著もそうなのかもしれないけれど,洒落た言い回しをしようとするためか,分かりにくくて読みにくい箇所がけっこうあるところ。

0 件のコメント:

コメントを投稿