2013年12月5日木曜日

日本人の知らない武士道

アレキサンダー・ベネット 2013 文春新書

武士道の要諦は「残心」であり,死を意識することで生を全うすること,生きる上でバランス感覚を持つことであるとし,こうした武士道の優れた精神は武道(著者の場合は特に「剣道」)を通して獲得することができる,ということを訴えている良書。武士道(精神)とは本質的にはどういうことかを,時代時代の変遷も踏まえて平易な語り口で書かれているので,分かりやすい。そして,現代日本における武道の衰退への嘆きも本書のポイント。特に「柔道」における武士道精神(武道精神)の消失は救いがたいことを,本書の中で再三にわたって指摘しています。武道とは武士道であり,その精神性と宗教性に着目した考察の一つとして,参考になりました。

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