2014年9月20日土曜日

疲れない身体の使い方

小笠原清基 2014 アスペクト

小笠原流宗家嫡男による,小笠原流礼法の基本に沿って,正しい立ち方歩き方坐り方を解いた本。ここで「正しい」とは,「本来人間の骨格・体格に合った無理のない」という意味。現代人はその基準からはずれて無理のある立ち方歩き方坐り方をしてしまっているが故に疲れる。だから,正しい方法で動作すれば,疲れないのだ,ということ。ただし,間違った(歪んだ)方法で今まで動作することが身に染み込んでしまっているために,いざ正しい方法で動作すると,当面はよけいに疲れる,というパラドックス。でもそれを越えれば,疲れない身体を取り戻すことができる。小笠原流礼法は,武士の礼法であり,武士が日々身体を整え鍛えるためにまとめられた動作術,とある。本書によればそれの味噌(コア,核)は,内腿のインナーマッスル。ここが要であり,小笠原流礼法の動作はほぼ全部ここんところを鍛えるために練られている。文章も分かりやすく,要点が絞られていて,良い。武道家,あるいは,身体をやる人には必読。ところでこの著者の小笠原清基さん,筑波の大学院で神経科学で学位,現在製薬会社とあるから,もしかしたら小川研か一谷研だったのかな。

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