2017年8月19日土曜日

「密息」で身体が変わる

中村明一 2006 新潮選書

2006年に出版されていたのに,本書に今まで辿り着けずにいました。自分の情報収集能力の稚拙さを思い知ります。空手の呼吸法はこの「密息」そのものです。知らずに拙著『空手と禅』では,この(空手の)呼吸法をとりあえず(胸式や腹式や逆腹式とは異なるという意味で,また丹田を充実させ続けるという意味で)「丹田呼吸法」として説明していました。

「密息」とは,骨盤を後傾し,吸いで腹が膨らみ,吐きでも腹を凹まさない,つまり,ずっと腹を出し続ける呼吸法です。私はこれを空手の師から習いました。

なお,身体術として骨盤を後傾させる技法は,日本だけでなく,中国の太極拳でもインドのヨーガでも,やります。太極拳もヨーガも,呼吸法が最重要の要素です。だからこの「密息」をもっと詳しく歴史的文化的に調べて辿っていけば,面白い研究になるんじゃないかと思いました。

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