2018年3月4日日曜日

情動の哲学入門:価値・道徳・生きる意味

信原幸弘 2017 勁草書房

これは読んだ方が良い。感情(本書では「情動」)が,我々の認識や判断にどう関わっているか,つまり,我々の生にどう不可欠に絡まっているかを,丁寧にほぐしてくれます。各章の冒頭の導入で,生活上よくある出来事に触れてから始まるのも親しみやすく,微笑ましい。

恐怖,罪悪感,悲しみ,怒り,快不快など,出てきます。ただ,個別の感情を分析することが主眼ではなく,価値や道徳の判断という文脈の中で,感情がどう関わっているかを解く際に,いろいろな感情を例として取り上げています。

感情研究をしている人なら,これは面白いと思う。戸田山和久先生の『恐怖の哲学:ホラーで人間を読む』も面白かったけど,本書も面白い。感情の哲学は,面白い。

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