2018年3月16日金曜日

変調「日本の古典」講義:身体で読む伝統・教養・知性

内田樹・安田登 2017 祥伝社

「教養」ということを改めて考えさせられます。やっぱり,「誰とでも上手くやっていける協調的な人材を育てる」教育ってのは,もちろんとても大切ですが,たぶん,革新的で創造的なことをする人ってのは,そういう人ではないと思います。

他人に害を及ぼしたり迷惑をかけたりするのは問題があると思いますが,別に協調的でなくたって構わないわけで,教養ってのは,単に一律な汎用性の高い知識を幅広く身につけさせることではなくて,その人独自の世界を豊かにする入口や端緒を与えることなんじゃないかと思います。で,そういう人は,オリジナリティが高いから,協調的でない可能性の方が高い気がします。

何より,お二人の教養の深さ,幅広さに,驚嘆します。そこから生まれる真実味のある言葉に納得します。そしてきっとこのお二人は,誰とでも上手くやれそうな,協調性のある人とはとても思えない。そこがまた良い。

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