2019年9月17日火曜日

すごい博物画

デイビッド・アッテンボロー,スーザン・オーウェンズ,マーティン・クレイトン,レア・アレクサンドラトス(著) 笹山裕子(訳) 2017 グラフィック社

15~17世紀ごろのヨーロッパ人によって描かれた博物画。レオナルド・ダ・ヴィンチ,カッシアーノ・ダル・ポッツォ,アレクサンダー・マーシャル,マリア・シビラ・メーリアン,マーク・ケイツビーの画。いずれも,基本的に植物学や昆虫学といった自然科学的な視線で描かれているわけですが,その微に入り細に入った画筆がすでに芸術となっています。

面白いのは,静物画のように,何かをただ書き記したというのではなくて,その人の好みで植物と動物が,寸法を無視して,描き込まれているところ。何かと何かを勝手に闘わせたり,何かを何かに勝手に這わせたりしてます。

今では,写真技術や撮影技術が高度になっているので,こういう,手書きの資料は不要なのかもしれないですが,かつてはこれが学術研究資料だっただと思うと,動植物を捉えたこうした絵は,とても貴重だったのでしょう。目の保養になりました。

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