2015年6月12日金曜日

怖い俳句

倉阪鬼一郎 2012 幻冬舎新書

確かに怖い俳句が並んでいるけれど,その怖さが一様ではなく,かなり広い意味で「怖い」という言葉を用いて,色々な句を入れています。前書きにもあるように,概ね時代に沿って並べているので,怖さがバラバラなところが逆に浮き彫りになってしまった感アリ。だから,まず,怖さの種類別に句を分け(たとえば,幽霊,虫,死,自然,実存とか),その中で時代順に追っていく構成にしていたら良かったかなと思います。一方で,僕自身が句を味わう素地がないこともまた,良く分かりました(笑)。新書なので,一つ一つの句について,もっと初歩的な説明を付けてくれてるのかなと思いきや(前書きには句評の専門用語は避ける,みたいなことを書いてはいましたが,それでも),味わい方以前にそもそもその短い文字数で書かれている句そのものの言葉の意味自体さえも即座に分からないものがときどきあり,それを解読することに労するので,味わうどころではない(味わう以前の問題である),ということが,良く分かりました。途中まで読んで終了。

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