藤本靖 2015 マガジンハウス
本書,藤本先生からご献本いただきました。ありがとうございます。
まず第一印象は,とにかく,分かりやすく伝えたい!という藤本先生の思いが全体から伝わってきます。その伝えたい思いの裏側には,人間の身体が持つ可能性の素晴らしさ,面白さが,あります。
藤本先生はロルファーなので,本書は全体的に「筋膜」で説明されていますが,背景の理屈が難しければそれは端折って,とにかく,「こうすると緩む」「ああするとリラックスする」という,インプットとアウトプットだけでも十分面白いし,役に立ちます。
中でも,「呼吸」の使い方,そして,緩めたいところ,ワークしているところへ息を持って行くときに,息がそっちへ自然に流れていく(「呼吸の波が届く」)と「おもう」と表現されているところが,良かった。「意識する」では強いし,「イメージする」では弱い。藤本先生の経験では,「おもう」と言うのが一番合っている,ということでした。なるほど。
加えて,特に最終章で強調されている,ココロとカラダの関係。カラダを使ってココロをほぐす,緩める,調える,シュッとさせる。そういうことだと思うのですが,これは本当に,僕が目指している,やろうとしていることと全く同じです。僕は心理屋なので,ココロから入ってカラダに至っているわけですが,藤本先生は逆に,カラダから入ってココロに至っている,ということでしょうか。
本書のテーマは,「身体を感じること」です。僕が普段使っている言葉でいえば,身体への気づき,でしょうか。感じるようになることで,自然とカラダは整ってくる,ひいてはココロも整ってくる。そういうワークがいろいろと詰まっています。
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