2016年3月15日火曜日

劇画ヒットラー

水木しげる 1990 ちくま文庫

水木しげるの戦争漫画。ヒトラーが画家になろうとウィーンに下宿しているところから,ナチス党の総統となり,ヨーロッパで戦争を始め,最後は地下壕で自殺するところまでを,淡々と描いています。ユダヤ人虐殺は,ヒトラーやナチス絡みでは必ず出てきますが,この物語では冒頭に出てくるだけで,後は,ヒトラー中心に誰と交わり,どうやってヨーロッパの国々や歴史が動いていったかだけを描いています。この,淡々とした感じは,おそらく水木漫画の特徴か,あるいはもしかしたら昭和の劇画の特徴なのか,はたまた伝記漫画の特徴なのか分かりませんが,いずれにせよ,セリフ付きの人物と風景とが連続する,そういう漫画です。

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