ピーター・ゴドフリー=スミス(著)夏目大(訳) 2018 みすす書房
タコマニア哲学者によるタコの本である。イカマニアでもある。そう思って読んだ方が良い。決して哲学の小難しい本ではありません。タコやイカは,人間と全然違う進化をしてるけど,結構,人間臭いところもある。さて,そんなタコやイカの主観的経験ってどんな風なんだろう,というところからあれこれ書いている。そういう本です。
とにかく徹底的にタコやイカについて観察し,調べ,考えている。ここまで来ると,愛である。なにせ,タコを観察するために,何時間も海に潜ってただ見てるだけ,なんてことを喜々としてやって,文章にしてるわけだから。
しかし,マニアっぷりも,ここまで徹底すると,研究になり,そして商売になる。この人はこれで飯が食えるわけです。いや,タコとイカだけで飯食ってるわけではないかと思いますが,いずれにせよ,哲学者として著名なわけです。素晴らしい。尊敬に値します。
哲学の本というよりも,半分は進化論や生物学や心理学(認知科学)の本です。その辺りの領域横断的な学際性も,読んでいて面白いのかもしれません。
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