2020年6月6日土曜日

言語学の教室:哲学者と学ぶ認知言語学

西村義樹・野矢茂樹 2013 中公新書

対談形式なので,非常に分かりやすく読めました。野矢先生が尋ね,西村先生が説明し,野矢先生が突っ込み,西村先生が答える,という基本パタンです。この,「突っ込む」というところが,いわゆる教科書や専門書的な理論やモデルの説得的な説明とは違う良いところであり,素人的にはそこは分からないとか,ピンとこない,といった感じに野矢先生が遠慮せずに疑義を挟む,というのが,理解を深める形になっています。

というのも,言語の問題だから,こういう言い方もあるとかいった例外が結構多いし,ぱっと見た(聞いた)感じでは何が違うのか分からないものも結構あるからです。そこのところ,つまり,分かりにくいところや必ずしもそうとは言えないところを,教科書や専門書だったら簡単に済ましたり割愛したりするわけですが,本書はそこんところは丁寧に突っ込んでいます。

認知言語学的なアプローチを知る上では,分かりやすくて入りやすい新書です。オススメです。

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