久保隆司・日本ソマティック心理学協会(編) 2015 コスモス・ライブラリー
「ソマティック心理学」として久保隆司氏を中心に設立された日本ソマティック心理学協会のメンバーによる,身体と心に関する幅広い論考を集めた本です。話題は幅広いので,通して読んでいて飽きませんし,読みたい章だけ読むのもアリです。
副題にあるように,リベラルアーツ,です。「身体」というキーワードを軸に,「心理学」の枠には収まらない,幅広い視点や知識が絡んできます。近年,その「身体」が一つの潮流になっていますが(「身体」からのアプローチ,20世紀後半の認知革命・認知主義に代わる21世紀の身体革命・身体主義,とでも言いましょうか),その一翼が,このソマティック心理学,でしょう。
色々と,勉強になります。
2016年9月3日土曜日
2016年7月30日土曜日
ふだん使いのナラティヴ・セラピー
D. デンボロウ(著) 小森康永・奥野光(訳) 2016 北大路書房
とても良い。ナラティヴというアプローチというのはこういうことなのだ,ということが肌で感じられる良書です。
まず,日本語訳がとてもこなれていて読みやすい。翻訳書としては,これがやっぱりとても大切だ。原著者の英語の文章力も重要だけれど,それを日本語に訳す翻訳者の言語的なセンスは,翻訳書の良し悪しを大きく左右する。だから,翻訳というのは,単なる機械的な書き換えではなくて,技芸でありアートだと思います。(自分の翻訳は優れている,という意味ではなく,改めてそう心がけていこう,という意味で,です)
というわけで,日本語として「つっかえる」ところは,全編通じてほとんどなく(したがって読むにあたってストレスを感じないから),非常に読みやすい。だからこそ,ナラティヴ・セラピーというものを心から味わって読める一冊になっています。たくさんの事例(ナラティヴ)がふんだんに盛り込まれています。
世に,ナラティヴに関する本はいくつも出ていますが,専門的なものを読む前に,まずはこの本を読むと,本質や様子が(おそらく)ちゃんと分かって良いと思います。
とても良い。ナラティヴというアプローチというのはこういうことなのだ,ということが肌で感じられる良書です。
まず,日本語訳がとてもこなれていて読みやすい。翻訳書としては,これがやっぱりとても大切だ。原著者の英語の文章力も重要だけれど,それを日本語に訳す翻訳者の言語的なセンスは,翻訳書の良し悪しを大きく左右する。だから,翻訳というのは,単なる機械的な書き換えではなくて,技芸でありアートだと思います。(自分の翻訳は優れている,という意味ではなく,改めてそう心がけていこう,という意味で,です)
というわけで,日本語として「つっかえる」ところは,全編通じてほとんどなく(したがって読むにあたってストレスを感じないから),非常に読みやすい。だからこそ,ナラティヴ・セラピーというものを心から味わって読める一冊になっています。たくさんの事例(ナラティヴ)がふんだんに盛り込まれています。
世に,ナラティヴに関する本はいくつも出ていますが,専門的なものを読む前に,まずはこの本を読むと,本質や様子が(おそらく)ちゃんと分かって良いと思います。
2016年7月6日水曜日
この英語,どう違う?
ルーク・タニクリフ 2015 KADOKAWA
「○○vs.●●」という形で解説されていて,違いが分かって,それなりにためになる。結構知らない差もあって,それなりに面白い。文章の量も多くないので,すぐに読み切れます。
「○○vs.●●」という形で解説されていて,違いが分かって,それなりにためになる。結構知らない差もあって,それなりに面白い。文章の量も多くないので,すぐに読み切れます。
2016年7月4日月曜日
ブッダの脳:心と脳を変え人生を変える実践的瞑想の科学
リック・ハンソン,リチャード・メンディウス(著) 管靖彦(訳) 2011 草思社
それなりに情報的価値も高いけれど,若干,訳語が気になりました。例えば,おそらくimplicit memoryを,潜在記憶ではなく,「暗黙の記憶」と訳したり(explicit memoryは顕在記憶ではなく「明白な記憶」),など。原著の言い回しがもともと読みにくい文章なのか,翻訳の日本語が分かりにくいのか,どちらとも判別しにくいですが,いずれにせよ,訳語や文章が,若干,読みにくい。
また,「ブッダの脳」と銘打っているからには,仏教瞑想やマインドフルネスやコンパッションなどに絞っての議論だと想像していたのですが,原著者の専門からなのか,広く「瞑想」という範囲でいろいろ論じられている部分もあるような気もします(この話は,必ずしも仏教やマインドフルネスとは違うんじゃないかなぁ,というところがときどき,ある)。となれば,「ブッダの脳」というよりは,「瞑想の脳」とか「瞑想する脳」とかの方が内容にフィットするような気もします。まぁしかし,原題もBuddha's Brainだから,タイトルは正しいのだけれど。
引用文献リストもきちんと載っていて,その点はとても丁寧な本だと思います。また,脳に関する様々な研究知見も,勉強になります。ただ,途中で読むのを止めました。
それなりに情報的価値も高いけれど,若干,訳語が気になりました。例えば,おそらくimplicit memoryを,潜在記憶ではなく,「暗黙の記憶」と訳したり(explicit memoryは顕在記憶ではなく「明白な記憶」),など。原著の言い回しがもともと読みにくい文章なのか,翻訳の日本語が分かりにくいのか,どちらとも判別しにくいですが,いずれにせよ,訳語や文章が,若干,読みにくい。
また,「ブッダの脳」と銘打っているからには,仏教瞑想やマインドフルネスやコンパッションなどに絞っての議論だと想像していたのですが,原著者の専門からなのか,広く「瞑想」という範囲でいろいろ論じられている部分もあるような気もします(この話は,必ずしも仏教やマインドフルネスとは違うんじゃないかなぁ,というところがときどき,ある)。となれば,「ブッダの脳」というよりは,「瞑想の脳」とか「瞑想する脳」とかの方が内容にフィットするような気もします。まぁしかし,原題もBuddha's Brainだから,タイトルは正しいのだけれど。
引用文献リストもきちんと載っていて,その点はとても丁寧な本だと思います。また,脳に関する様々な研究知見も,勉強になります。ただ,途中で読むのを止めました。
2016年6月24日金曜日
スター・ウォーズ 禅の教え エピソード4・5・6
桝野俊明 2015 KADOKAWA
映画『スター・ウォーズ』のエピソードⅣ~Ⅵの中の場面を添えながら,禅語を紹介する,という本。装丁は綺麗です。紙質も良い。写真もオールカラー。禅語は全部で86。
なお,桝野師がスター・ウォーズを鑑賞して,86の禅語を思いついた,というよりは,先に禅語があって,それに近い場面を充てた,と言う方が近いかも。というのも,あんまり禅語と合ってない,やや無理矢理な場面選択もあったので(笑)。
しかし,スター・ウォーズの場面の写真と解説は,禅語の意味を考えるヒントにはなりますし(場面に合っていても合っていなくても),むしろ,個人的に良いと思ったのは,禅語の下に,その禅語の持つ中心的な意味あるいはメッセージを現代語で表現し直していて,それに英訳が付いていることです。こうして現代日本語と英語に訳すことで,意味が分かりやすくなっています。これにさらに,桝野師の言葉による解説が加わっている,という形式で,全部で86,禅語が並んでいます。見開き1ページで1語なので,読みやすい。
映画『スター・ウォーズ』のエピソードⅣ~Ⅵの中の場面を添えながら,禅語を紹介する,という本。装丁は綺麗です。紙質も良い。写真もオールカラー。禅語は全部で86。
なお,桝野師がスター・ウォーズを鑑賞して,86の禅語を思いついた,というよりは,先に禅語があって,それに近い場面を充てた,と言う方が近いかも。というのも,あんまり禅語と合ってない,やや無理矢理な場面選択もあったので(笑)。
しかし,スター・ウォーズの場面の写真と解説は,禅語の意味を考えるヒントにはなりますし(場面に合っていても合っていなくても),むしろ,個人的に良いと思ったのは,禅語の下に,その禅語の持つ中心的な意味あるいはメッセージを現代語で表現し直していて,それに英訳が付いていることです。こうして現代日本語と英語に訳すことで,意味が分かりやすくなっています。これにさらに,桝野師の言葉による解説が加わっている,という形式で,全部で86,禅語が並んでいます。見開き1ページで1語なので,読みやすい。
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