2012年5月1日火曜日

武道における身体と心

前林清和 2007 日本武道館

悪くない。前林氏(神戸学院大学教授)は剣道家なので(佐川派大東流の師範でもある),本書の「武道における」というのは,内容的にはほとんど「剣道・剣術における」ということを意味している。日本武道の大半は,その技術や理論や思想について剣術をベースにしているから,これはこれで正しいけれど。しかし,現代剣道は果たして武道なのか。あれはスポーツだと僕は認識しているんだけど。前林氏のような「武道論」の専門家(本職?)でも,武道とスポーツを矛盾なく内的に併存させられている,そこのところがよく分からない。随所で現代剣道を武道的に理解しようとするところに無理がある。読んでいてそれがどうもしっくりこない。

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