2015年5月19日火曜日

チャンミーグヮー

今野敏 2014 集英社

『義珍の拳』も『武士猿』も,面白かった。で,『チャンミーグヮー』である。端的には,面白かった。でも,この面白さは,空手をやってるからかなと思うのだけれど,どうなんでしょう。登場する名だたる空手家や,出てくる形を知ってるから,面白いのかもと,今回は思いました。

というのも,『義珍の拳』や『武士猿』の方が,なんていうか,キャラクター設定が良かったり,葛藤や成長を丁寧に描いているところが良かったりした気がします。いやもちろん今回もそういうビルドゥングスロマンなんだけれど,今回はより,空手の,特には少林流・少林寺流に代表される喜屋武朝徳先生系棟の空手を,かなり前面にマニアックに押し出した,言わば,今野塾小説的な色合いが強かった気がします。もちろん,個人的には,それがまた面白かったわけですが。

小説家「今野敏」と言えば,世間的には警察ものの方が有名?ですが,今野先生には引き続き,この,空手家シリーズを,是非お願いしたい。でも,喜屋武先生書いてしまったら,ある意味,今野敏先生的にはゴールなんだろうなぁと思いつつ,でも次に期待。

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