2015年10月12日月曜日

ハリウッド・スターはなぜこの宗教にはまるのか

ジョン・スウィーニー(著) 栗原泉(訳) 2014 亜紀書房

原題は,"The Church of Fear"つまり『恐怖の教会』。これでは何のこっちゃ分からん,ということで日本語版のタイトルはこうなっています。トム・クルーズとジョン・トラボルタが信仰していることで有名な,サイエントロジーを番組で取材したBBC記者の,取材過程の顛末を詳細に追った本です。

一般論として,プロの翻訳家でさえも,日本語訳がこなれている本って,少ない気がします。やっぱり原著に忠実に訳そうとするとどうしても堅くて分かりにくい日本語の文章になってしまう。僕も人のことは言えないけれど(笑),一般論として,翻訳物は,読みにくいものが多い(日本語が分かりにくいから,そのせいで中身の良さまで損なわれてしまい,読むのを途中で止めてしまう。もったいない)。

その点,本書の日本語は,全体的にとても滑らかで読みやすい。これはやっぱり,翻訳者の力だと思います。

朝日新聞の書評に載っていたので買いました。その書評にあったとおり,これは「ハリウッド・スター」がサイエントロジーにはまる理由を分析しているのではなく,ハリウッド・スターなど有名人を広告塔に抱えるサイエントロジーという団体がどのような性質の団体かを番組製作を通して告発する,そういう本です。面白い本なので,おすすめです。

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