2017年10月13日金曜日

禅思想史講義

小川隆 2015 春秋社

平易な日本語と,古典の分かりやすい現代語の訳や解釈もあいまって,とても分かりやすく読みやすい本です。やはり,本格的な学術書となると,漢語や古語が難しいし,禅や仏教の専門的な用語が出てくるとこれも一つ一つ理解しながら読むのはなかなか骨が折れます。その点,この本は,禅の通史として,唐代と宋代の中国禅を中心に,最後は鈴木大拙に至るところまでをざっくりと解説しています。大きな流れを掴むことが目的だとまえがきにもあるように,その目的は十二分に達成されています。禅の研究は専門的にはもっとずっと深いのだろうけれど,本書のこれはこれで,とても勉強になりました。

0 件のコメント:

コメントを投稿