2018年11月2日金曜日

沖縄空手道の歴史

新垣清 2011 原書房

夢想会・新垣師範の,渾身の力作です。もともとは月刊『空手道』(廃刊)の長期連載だったようですが,沖縄(琉球)の歴史に始まり,空手史にとって重要な沖縄の様々な歴史的(政治的)背景を丁寧に辿り,現代に名が残る様々な武人について丁寧に調査を行い,沖縄の武術がどのように形成・発展してきたかを,詳細に記述しています。

非常に勉強になりました。そして,その丹念な調査に基づく史実を手繰ることで,空手という武術とその歴史に関する認識が新たになりました。そしてそこで語られる新垣師範の主張は,私が常々感じていた私自身の身体感とも一致していて,疑問が解消され,なるほどそういうことかと納得した次第です。

いやしかし,よくここまで色々と調べたものだと,感服いたしました。史実と推測の区別については「ここからは筆者の推測」ときちんと明示して述べておられるし,伝聞・口伝・噂などについては「これは筆者確証なし」と明示しておられるので,その点も非常に誠実だと感じました。

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