2014年1月7日火曜日

「死ぬのが怖い」とはどういうことか

前野隆司 2013 講談社

死にたくないと,普通,人は思う。これは死が怖いからではない。死んでしまうこと自体は別に怖くないけれど,でも,心の底からはっきりと死にたくないなぁと思うのはなぜだろう。その辺りが本書を読んで少しはっきりしました。私も前野氏と同様の意味で「死ぬこと」自体は全く怖くありません。その理由は本書に激しく同意です。が,死にたくない。本書は,死ぬこと自体は別に怖いことでもなんでもないということを懇切丁寧に説明している本として,とても良い。がしかし,ではなんでそれでも死にたくないと思うのかのところにはあんまりスポットを当てていない。私なりの現時点での答えとしては,自分の子どもと会えなくなるから,が一番の理由でしょうか。きっと,独身だったら,今この歳になって「死にたくない」と思わなかったかもしれない。独り身であれば,きっと生へのこだわりは究極的にはそれほどなく,そもそも死ぬこと自体も怖くないので,あとはせいぜい,死ぬときに痛かったら嫌だな,ぐらいしか「死にたくない」理由はなくなってしまう。いや,死んだらそもそも美味しいもの食えなくなるな,空手の稽古ができなくなるな,というのもあるから,そういうのが十分に生へのこだわりですね。今生かされていることに感謝して,精一杯満喫して生きましょう。

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