2020年1月1日水曜日

大阪芸大:破壊者は西からやってくる

向井康介 2019 東京書籍

数々のクリエイティブな映画人,俳優,写真家,アーティスト等々を生み出している大阪芸術大学。著名な人もいっぱい出ています(M-1優勝のミルクボーイの二人も)。そんな大阪芸術大学出身の脚本家・向井康介氏の回想録と著名人インタビュー記事でもって,大阪芸大の謎に迫ります。

いやしかし,一つの青春小説のようになっていて,読んでいて面白かった。誰しも振り返る記憶の中の学校生活ってのはあると思いますが,大学に通った身としては,学生生活ってこういう風だよな~と,なんだかしみじみと自分の当時も思い出しながら,読みました。

私は1990年に大学に入学していますが,なんていうか,当時はまだ大学っていう教育機関が良い意味で「いいかげん」だった気がします。あれから30年経って,大学はホント,教員も職員も学生も,とてもちゃんとしているところになりました。コンプライアンスとか叫ばれる時代ですから,それはそれで安心・安全・信頼・信用等々を保証するから当然と言えば当然ですが,なんだか自由度がなくて窮屈と言えば窮屈でもある。人間,「いいかげん」も必要なときがあります。

早稲田も当時,大阪芸大のように,大学に変な人がたくさんいて面白かったですが(文学部は演劇の人とか文芸の人とか活動家の人とかうろうろしてたから,老けた人とか汚い人とかいっぱいいた),最近戸山キャンパスに寄ったら,随分綺麗な建物とインターナショナルで身ぎれいな学生さんたちでいっぱいでした。余所の私立同様,とっても現代的で綺麗になってました。

と,大学に身を置く者として,当時と今の自分を思い,いろいろと考えさせられる本でした。面白かったです。


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