山本七平 1983 文春文庫
日本人特有の,「空気」による意思決定の支配。元々の単行本が昭和52年4月発行。分析はその通りであり,今も昔も変わらない。要するに,集団状況における社会的圧力の話で,日本人は特にこの「空気」に弱く,自縄自縛の状態になり,まさに自爆するということ。惜しむらくは,昭和50年頃ってのはこういう文章(日本語)を書くのが通例だったのかどうかは分からないけれど,なんとも読みにくい。本書はたぶん,名著と言われる部類なので,当時はとてもよく売れた本なんだろうけれど,言葉一つ一つが硬いし,文の一つ一つが長いし,順接なのか逆接なのか分かりにくいし,主節と従属節が入り組んでいて意味が捉えにくい。なので,半分ぐらい読んで,読むのを止めました。
2013年4月2日火曜日
2013年3月22日金曜日
銃
中村文則 2012 河出文庫
中村文則,初めて読みました。彼のデビュー作『銃』。なんだか切ない話でした。この文庫版には『火』という短編もくっついています。こっちもなんだか切ない。やりきれないというか何というか。『銃』は,いろんなところで高い評価を聞くので,いつか読もうと思ってようやく読めました。やりきれない話だけど,あるね,こういう感覚。Kellyが人はsecretsが必要だ,なんてことをオランダの会議の時に言っていたけど,それはある面その通りです。でも一方で,『銃』の主人公のように,表出もしたくなる。Pennebakerもだから,正しい。大学生ぐらいの時の心情を再び思い返してみたい人は,是非。でも,こういう感覚がまったくなかったっていう人もいるんだろうな,きっと。
中村文則,初めて読みました。彼のデビュー作『銃』。なんだか切ない話でした。この文庫版には『火』という短編もくっついています。こっちもなんだか切ない。やりきれないというか何というか。『銃』は,いろんなところで高い評価を聞くので,いつか読もうと思ってようやく読めました。やりきれない話だけど,あるね,こういう感覚。Kellyが人はsecretsが必要だ,なんてことをオランダの会議の時に言っていたけど,それはある面その通りです。でも一方で,『銃』の主人公のように,表出もしたくなる。Pennebakerもだから,正しい。大学生ぐらいの時の心情を再び思い返してみたい人は,是非。でも,こういう感覚がまったくなかったっていう人もいるんだろうな,きっと。
2013年3月21日木曜日
堕落論
坂口安吾 2011 ハルキ文庫
安吾の堕落論。20数年ぶりに再び読んでみた。まったくウル覚えで,だいたいこんな事書いてあったよなというイメージぐらいしか残っておらず,果たして,今回再読してみて,そうかこういうことを書いていたのかと思い直しました。ハタチ前後の頃に読む安吾と,アラフォーで読む安吾は,違うなとしみじみ。記憶では当時,「堕落論」というタイトルからして刺激的だったけど(でもって何をこんなに怒りとも叫びとも嘆きとも分からないことと切々と書いているのかと不思議だったけど),今読めばずいぶんとちゃんとしたこと(まっとうなこと)を書いてるなと思う。安吾はでも,49歳で死んでるんだよな。堕落論を発表したのは,彼が40歳のとき。だからか,妙に共感してしまう。
安吾の堕落論。20数年ぶりに再び読んでみた。まったくウル覚えで,だいたいこんな事書いてあったよなというイメージぐらいしか残っておらず,果たして,今回再読してみて,そうかこういうことを書いていたのかと思い直しました。ハタチ前後の頃に読む安吾と,アラフォーで読む安吾は,違うなとしみじみ。記憶では当時,「堕落論」というタイトルからして刺激的だったけど(でもって何をこんなに怒りとも叫びとも嘆きとも分からないことと切々と書いているのかと不思議だったけど),今読めばずいぶんとちゃんとしたこと(まっとうなこと)を書いてるなと思う。安吾はでも,49歳で死んでるんだよな。堕落論を発表したのは,彼が40歳のとき。だからか,妙に共感してしまう。
2013年3月15日金曜日
荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論
荒木飛呂彦 2011 集英社新書
ソフトに読める(ホラー)映画論。あの『ジョジョ』の根底に流れている荒木ワールドの源泉の一つ。マニアです。マニアだけど,ハードすぎなくて良い。極端なマニアの,「知ってる人にしか分からない」的な,排他的な映画論でないのが良い。ネタバレの話はほとんどなく(唯一,「シックス・センス」だけ),取り上げた映画を読者がほどよく観たくなる,良い映画論です。プロの映画評論家とはまた違った味がある。しかし,この人,ホラー映画マニアだねぇ。その愛情は,全編にほとばしってます。
ソフトに読める(ホラー)映画論。あの『ジョジョ』の根底に流れている荒木ワールドの源泉の一つ。マニアです。マニアだけど,ハードすぎなくて良い。極端なマニアの,「知ってる人にしか分からない」的な,排他的な映画論でないのが良い。ネタバレの話はほとんどなく(唯一,「シックス・センス」だけ),取り上げた映画を読者がほどよく観たくなる,良い映画論です。プロの映画評論家とはまた違った味がある。しかし,この人,ホラー映画マニアだねぇ。その愛情は,全編にほとばしってます。
2013年3月13日水曜日
「生きづらい日本人」を捨てる
下川裕治 2012 光文社新書
日本を脱出(?)し,アジア(沖縄を含む)で暮らす日本人のルポ。どの話もそれぞれ,日本の「生きづらさ」が浮き彫りにされている。ここで包括的に「生きづらさ」としているけれど,もう少し分解すると,資本主義,拝金主義,バブル崩壊,あるいは物価高,仕事のなさ(リストラなど),要は全部,「お金」に関わることでした。色んな意味でお金に振り回された末に,貧しい生活だけれどもお金に振り回されないアジアの国々に長期滞在(移住)している人たち。冒頭,著者は,「沖縄病」という言葉を使っているけれど,少しだけ分かる気もする。
日本を脱出(?)し,アジア(沖縄を含む)で暮らす日本人のルポ。どの話もそれぞれ,日本の「生きづらさ」が浮き彫りにされている。ここで包括的に「生きづらさ」としているけれど,もう少し分解すると,資本主義,拝金主義,バブル崩壊,あるいは物価高,仕事のなさ(リストラなど),要は全部,「お金」に関わることでした。色んな意味でお金に振り回された末に,貧しい生活だけれどもお金に振り回されないアジアの国々に長期滞在(移住)している人たち。冒頭,著者は,「沖縄病」という言葉を使っているけれど,少しだけ分かる気もする。
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