2014年12月3日水曜日

身体の知性を取り戻す

尹雄大 2014 講談社現代新書

本書の主張をざっくりと(勝手に)解釈すれば,「身体の自然な声を聴け」ということかと思います。それには大いに同意します。本書は,著者の武術修行の経験を踏まえつつ,なんとかそのことを伝えようと書かれた力作です。これは内容的なこととして,これとは別に読書中あるいは読後感として思ったのは,著者は,なんでこんなにイライラしているのか,ということです。イライラしているというか,怒っているというか,悲しんでいるというか。言葉の選びがとげとげしいのかもしれない。でもそれは著者の思いが滲み出ているものだと言えます。3.11以降に書こうと思ったテーマだと,あとがきにあります。だから悲しいのか,だから怒っているのか。しかし,誰に対する苛立ちなのか,自分に対する苛立ちなのか,世の中に対する苛立ちなのか。とにかく,本書全体を包むオーラが「怒り」あるいは「苛立ち」のような気がするのは,僕だけだろうか。

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